はじめに|iPhoneもiPadも、ショートカットの実行方法が豊富
ショートカットって、「作るのが楽しい」「自動化が便利」といった印象があると思いますが——
実はその便利さを引き出すカギは「どうやって起動するか」にもあります。
せっかく便利なショートカットを作っても、実行するまでに何ステップもかかっていたらちょっと面倒。
逆に、“ワンタップ”や“自動で実行”できれば、生活の中で自然と使いこなせるようになります。
iPhoneやiPadでは、そんな「ショートカットの起動方法」が驚くほどたくさん用意されています。
本記事では、iPhone・iPad共通で使えるショートカットの起動方法を11種類まとめてご紹介。
「よく使うショートカットをもっとラクに呼び出したい」
「Siri以外の実行方法も知っておきたい」
そんな方に向けて、使い分けのコツや活用例もあわせて解説していきます!
ショートカットの起動方法
iPhoneやiPadでは、ショートカットを起動する方法が意外とたくさんあります。
普段からSiriで呼び出している人もいれば、ウィジェットでまとめて管理している人もいるかもしれません。
この章では、そんな起動方法を11種類ピックアップして、それぞれの特徴や使いどころを紹介していきます。
- ショートカットAppから実行
- ホーム画面に追加して実行
- ウィジェットから実行
- Spotlight検索から実行
- Siriで音声実行
- 共有シートから実行
- オートメーションで自動実行
- 背面タップ(iPhone限定)
- URLスキームで外部から実行
- ランチャーアプリから実行(Launcherなど)
- ショートカットから実行(別のショートカットを呼び出す)
ショートカットAppから実行

いちばんオーソドックスな実行方法が、ショートカットAppを開いて実行するやり方です。
アプリを開くとショートカットが一覧で並んでいるので、そこからタップすればすぐに実行できます。
普段使いでは、この一覧からの実行がメインになります。
もうひとつ、ショートカットの編集画面にも右下に再生ボタン(▶︎)があります。
こちらは、作っている途中にちょっと動かしてみたいときに便利なテスト用という感じ。
たとえば「この処理までちゃんと動くかな?」と確認したいときに使います。
なお、編集画面からの実行では、処理に失敗したアクションが赤く表示されるので、エラーの発見や調整にはこちらのほうが便利です。
ホーム画面に追加して実行

ショートカットをホーム画面に追加しておけば、アプリのアイコンのようにワンタップで起動できます。
毎日使うショートカットや、急いでいるときにすぐ使いたいものは、ここに置いておくのが一番スムーズです。
アイコンの名前やデザインは自由に設定できるので、
自分の使いやすいようにカスタマイズしておくと、パッと見で目的のショートカットを見つけやすくなります。
他のアプリと並べたり、フォルダにまとめたりできるので、
「ショートカットもよく使うアプリのひとつ」くらいの感覚で扱えるのが魅力です。
ウィジェットから実行

ホーム画面や「今日の表示」に、ショートカット専用のウィジェットを追加することもできます。
複数のショートカットを一覧で並べておけるので、よく使うものをまとめておきたいときに便利です。
1タップで即実行できるので、ホーム画面からすぐアクセスできるのも魅力。
iPadでは特大サイズ(XLサイズ)ウィジェットにも対応していて、たくさん並べたいときに相性抜群です。
また、Launcherなどのランチャーアプリと組み合わせれば、「見やすく整理された、自分専用のランチャー」を作ることもできます。
よく使うショートカットが3つ以上あるなら、ウィジェットでまとめて管理しておくと効率がグッと上がります。
Spotlight検索から実行

ホーム画面を下にスワイプ、もしくは「検索」をタップすると表示されるSpotlight検索からも、ショートカットを呼び出すことができます。
実行したいショートカットの名前を入力すると、検索結果に表示され、タップでそのまま実行可能です。
ホーム画面に追加していなくても、ショートカットAppに保存されていれば検索にヒットします。
Siriを使わずに、名前でサクッと呼び出したいときに便利な方法です。
「声は出せないけど実行したい」場面でも、サッと起動できます。
Siriで音声実行

ショートカットに名前を付けておけば、「Hey Siri、◯◯を実行」と話しかけるだけで起動できます。
たとえば「Hey Siri、天気チェックを実行」といった形です。
このように「〜を実行」と明確に言うことで、ショートカットとして正確に認識されやすくなります。
実は「Hey Siri、◯◯」のように名前だけを呼びかけても実行されることもありますが、その場合はWeb検索になったり、他のアプリと混同されることもあるため、やや不安定です。
iOS 17以降では設定によって、「Hey Siri」ではなく「Siri」だけでも反応するように変更することも可能です。
この設定を有効にすれば、よりスムーズに呼びかけられるようになります。
手がふさがっているときや、運転中・料理中など、画面を触れないシーンでも活躍する方法です。
ショートカット名はSiriにとって聞き取りやすいものにしておくのがコツ。
短くてハッキリした名前(例:「予定チェック」「買い物リスト」など)にすると、認識の精度も上がります。
共有シートから実行

Safariや写真アプリなどの「共有」ボタンから、ショートカットを実行することもできます。
いわゆる「共有シート」にショートカットを表示させておくことで、アプリの中からそのまま起動できる仕組みです。
たとえば、
- 写真アプリで開いている画像を、そのままリサイズして保存
- Safariで開いているWebページをNotionに登録
- ファイルアプリから選んだ書類をPDFに変換
といったように、目の前のデータをそのまま渡して処理できるのが特徴です。
この方法を使うには、ショートカット作成時に「共有シートに表示」をオンにする必要があります。
あわせて、受け取る入力の種類(画像、テキスト、URLなど)も正しく設定しておきましょう。
オートメーションで自動実行

ショートカットは、自分でタップして実行するだけでなく、「特定の条件になったときに自動で実行」することもできます。
この仕組みを「オートメーション」と呼び、ショートカットAppの「オートメーション」タブから設定できます。
たとえば、
- 特定の時間になったら、予定を通知
- 自宅に到着したら、エアコンをON
- iPhoneを充電器につないだら、再生中の音楽を止める
…といったように、「きっかけ(トリガー)」に応じて自動で動いてくれるのが大きな特徴です。
オートメーションは「iPhoneを操作していない時でも反応する」ケースが多いため、完全に手放しで動かしたいショートカットに向いています。
なお、「実行前に確認」する設定になっていると、通知が表示され、タップしないと実行されない場合もあります。
これはトリガーの種類によって変わるため、設定時に案内される内容を確認しておくのがおすすめです。
背面タップで実行(iPhone限定)

iPhoneでは、本体の背面をトントンとタップするだけで、ショートカットを実行することもできます。
この機能は「背面タップ」と呼ばれ、設定アプリから簡単に割り当てが可能です。
「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「背面タップ」から、ダブルタップ・トリプルタップのそれぞれにショートカットを指定できます。
よく使う操作を登録しておけば、iPhoneを持ったまま片手で実行できるので、手が離せない場面でも便利です。
例えば、片手がふさがっているときに音声メモを開始したり、ライトをつけたりするのにぴったり。
ただし、この機能はiPhone限定で、iPadには対応していません。
また、ケースの厚みや素材によっては反応しにくくなることもあるので、使い心地は一度試してみるのがおすすめです。
URLスキームで外部から実行

ショートカットは「URLスキーム」を使って、Safariのブックマークや他のアプリから呼び出すこともできます。
使い方としては少し上級者向けですが、うまく使えばアプリ感覚でショートカットを起動することも可能です。
たとえば、こんな感じで実行できます。
shortcuts://run-shortcut?name=ショートカットの名前
※日本語名のショートカットでも実行できる場合がありますが、うまく動作しないときはURLエンコード(%などに変換)が必要です。
この方法は、たとえば
- メモやWebページにリンクとして保存しておきたいとき
- サードパーティ製のアプリやランチャーから呼び出したいとき
- 開発者視点で他アプリからショートカットを実行したいとき
など、ちょっと工夫した使い方に向いています。
ランチャーアプリから実行

ショートカットは、「Launcher」などのランチャーアプリから実行することもできます。
ランチャーアプリとは、好きなアプリや機能をまとめて、すぐに呼び出せるようにするアプリのこと。
見た目や配置もカスタマイズできるので、よく使うショートカットを「自分だけのメニュー」として整理できます。
たとえば、
- ホーム画面やウィジェットにショートカットをまとめて配置したり
- アプリ風の見た目で並べたり
- 名前やアイコンを自由に変更して、わかりやすく表示したり
といった使い方が可能です。
特に「Launcher」はショートカットとの相性が良く、URLスキームを使った実行や、ショートカットアクションとの連携にも対応しています。
ショートカットの数が増えてきたときには、こうしたランチャーアプリを活用することで、使いたいショートカットにすぐアクセスできる環境を整えることができます。
ショートカットから実行(別のショートカットを呼び出す)

ショートカットの中で、別のショートカットを呼び出すこともできます。
たとえば、
- アプリをまとめた選択メニュー
- 使い回したい処理(日時の取得など)の共通化
- 条件によって実行する内容を切り替える
といった使い方ができます。
使うのは「ショートカットを実行」アクション。
慣れてくると、ショートカット同士をパーツのように組み合わせて作るのが便利になってきます。
ちなみに、過去に紹介した「アプリ起動メニュー」のショートカットも、考え方としてはこの使い方に近いです。
ひとつのショートカットで一覧を表示し、そこから実行したいものを選ぶ流れは、「ショートカットをまとめて管理・実行する」スタイルの一例として参考になります。

起動方法の使い分け
ショートカットにはいろんな起動方法がありますが、「どれを選べばいいの?」と悩むこともあると思います。
でも大丈夫。使い方のシーンに合わせて選ぶと、自然にピッタリな方法が見つかります。
シーン別のおすすめ起動方法
シーン | おすすめの起動方法 |
---|---|
よく使うショートカットをすぐ実行したい | ホーム画面に追加 / ウィジェット / ランチャーアプリ |
両手がふさがっている | Siri / 背面タップ(iPhone限定) |
一定条件で自動化したい | オートメーション(時間・場所・接続など) |
写真やリンクなど対象データから実行したい | 共有シートから起動 |
他アプリや開発用途で呼び出したい | URLスキーム |
複数のショートカットをまとめて使いたい | 他のショートカットから実行(ランチャー化) |
たとえば、
- 「よく使うレシピ管理ショートカット」はウィジェットに追加
- 「帰宅時にBluetoothイヤホンを接続したら音量調整」などはオートメーションで自動化
- 「写真をリサイズ」は共有シートから呼び出し
というように、目的と頻度で使い分けるのがポイントです。
どれかひとつに決める必要はなく、「よく使うものだけを“すぐに使える場所”に置いておく」ことが、ショートカットを日常で活かすコツです。
僕は、過去記事で紹介した「アプリ起動メニュー」のショートカットをウィジェットに追加して、よく使うアプリをカテゴリ別にまとめています。
たとえば「支払い」や「注文」といったメニューを作っておくと、ホーム画面からすぐに呼び出せて便利なんですよねー。
あと、Launcherをウィジェット表示してアプリを並べる中にショートカットのアイコンも一緒に並べています。
アプリとアイコンを区別せず、目的に応じて使えるので便利ですよ。

実行方法まとめ
ここまで紹介してきたショートカットの起動方法を、表にまとめておさらいしておきます。
起動方法 | 概要・特徴 | よく使う場面 | iPhone | iPad |
---|---|---|---|---|
ショートカットApp | 一覧から選んで実行。作成中のテストにも便利 | 設定変更時の確認など | ✅ | ✅ |
ホーム画面に追加 | アプリアイコンのようにワンタップで実行 | 毎日使う定番ショートカット | ✅ | ✅ |
ウィジェット | 一覧表示で複数のショートカットを並べて起動 | 複数を使い分けたいとき | ✅ | ✅ |
Spotlight検索(検索バー) | ホーム画面を下にスワイプして名前で検索・実行 | 声が出せない場所や、アイコンを探すのが面倒なとき | ✅ | ✅ |
Siri | 声で「◯◯を実行」と話しかけて起動 | 手がふさがっている時など | ✅ | ✅ |
共有シートから実行 | 写真・リンクなどを対象にして直接呼び出せる | データを渡して処理したいとき | ✅ | ✅ |
オートメーション | 時間や場所などの条件で自動実行 | 日常ルーチンへの組み込みに | ✅ | ✅ |
背面タップ | iPhoneの背面を2回/3回タップで起動(設定が必要) | 片手操作の補助に | ✅ | ❌ |
URLスキーム | ブックマークなどからリンク的に起動できる | 他アプリ連携・開発用途に | ✅ | ✅ |
ランチャーアプリ | ウィジェットや専用画面でカスタマイズ起動 | よく使うショートカットの整理・高速実行に | ✅ | ✅ |
他のショートカットから実行 | 「ショートカットを実行」アクションで内部連携 | ランチャー化・まとめ実行に便利 | ✅ | ✅ |
特にウィジェットやホーム画面への追加は、日常的に使いたいショートカットにおすすめです。
用途に応じて、自分のスタイルに合わせた配置を考えてみてください。
おわりに|ショートカットは「起動しやすさ」で変わる
ショートカットって、作っただけだと意外と使わなくなることもありますよね。
でも、「どうやって起動するか」をちょっと工夫するだけで、ぐっと身近なツールになるな〜と感じています。
iPhoneでもiPadでも、自分のスタイルに合った方法を見つけることで、ショートカットはもっと自然に、毎日で活きるツールになります。
まずは、よく使うショートカットをひとつ、サッと起動できる場所に置いてみるところから始めてみませんか?